アメリカ旅行記

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アメリカ旅行記(3)

フィラデルフィアは結局帰国の前日まで滞在することになって、ニューヨークの友達にはまた、次回ゆっくり会うことにした。アメリカ旅行記も、そろそろ終盤にさしかかってまいりました。

日本に帰る日

フィラデルフィアをバスで出発し、ポートオーソリティーからまた地下鉄とバスでラガーディア空港に向かった。

空港でチェックインを済ませ、搭乗ゲート付近のベンチで待っていると、放送が流れ、何便か出発が遅れているらしかった。
私は、ニューヨークからデトロイト経由で日本に帰る便だったけど、デトロイトの乗り換え時間は2時間程度しかない。大丈夫かなと思っていたら、離陸予定時間にやっと搭乗が始まった。

全員乗り込んですぐに離陸すれば間に合うかなと思っていたが、いつまでたっても離陸どころか、ゲートを離れない。
私の近くの席の人が、
「デトロイトで乗換えなんだけど、間に合うかな」
とフライトアテンダントさんに聞いていたので、耳をそばだてていたら
「こうゆう時って、順繰りに遅れていくことが多いから、大丈夫じゃないかな。でも、ここでは、なにが理由で遅れてるのかわからないから、デトロイトに着いたら、地上係員に聞いて」
と言っている。そうか、私の乗り継ぎ便もきっと出発が遅れるのか。と自分に都合よく考えることにした。

しばらくたつと、機長のアナウンスが入った。どうやら
「管制塔から離陸の指示が出ません。到着地が悪天候で大混雑しているので、今離陸しても、着陸できないので到着地の混雑がおさまらないと管制塔は離陸の指示を出してくれないようです」
と言っているみたい。

あー、だったら、私の乗り継ぎ便も悪天候で離陸できないわ。じゃ、間に合うわね。とポジティブに考えた。

結局、離陸は、予定より2時間半遅れて、当然予定より2時間半遅れてデトロイトに到着した。
はーやれやれ、乗り継ぎ便はどのゲートかな?と探すも、どこにも表示されていない。
あれ?もしかして?地上係員さんがいたので、
「私、日本に帰るんですけど、便が表示されていないんですけど」と言うと、
「あそこでリブッキングしてね」とあっさり言われた。

ふーん、リブッキング?と思いながらリブッキングカウンターに行くと、長蛇の列。カウンターの横にリブッキング専用の電話があったので、掛けてみた。

「日本語話せる人お願いします」と日本人の航空会社スタッフに代わってもらって、
「あの、私の飛行機は」と聞くと、
「先ほど、定刻どおりに出発しておりますので、リブッキングしていただかないといけませんね」
「え?定刻どおり?遅れてるんじゃないんですか?」
「はい、出発しています。次の便をお調べしますね」

あーあ、乗り遅れちゃった。そうか、次の飛行機か、何時間待つんだろう。すると、
「次の便ですが、日曜日まで空席がございませんね」
「は?今日、火曜日ですけど」
「そうですね、火曜日ですね。日曜日までお待ちいただかないといけませんね」
「どこで待てばいいんですか?」
「この場合、飛行機のトラブルではなくて、悪天候のためですのでどこかホテルをご自分でとっていただいて・・・」
「ちょっと待って、そんなの、無理です」
「悪天候の場合は航空会社の責任ではございませんので、あ、でも、もう少し早い便が取れるか、もう一度確認しますので、しばらくお待ちくださいね」

すでに私の頭の中は、真っ白なのか、真っ黒なのか、思考はすべてストップしてしまった。
自分に「どうなってる?どうなってる?」と問いかけていたら電話の向こうから、
「ちょっと早い便が取れるか、まだわからないので、一旦電話を切って、チェックインカウンターに後ほど来ていただけませんか」と言われた。
「わかりました・・・」
「お荷物がラゲッジクレームのターンテーブルに出ていると思いますから、ピックアップしておいてくださいね」
「わかりました・・・」

「どうすればいいんだ?どうすればいいんだ?」と頭の中で考えれないけど考えながら、まず、ラゲッジクレームに向かった。
歩いていると、そうだ、この状況をまずニューヨークとフィラデルフィアの友達に伝えて、もし、日曜日まで出発できないなら、デトロイトで一人でいるより、一旦戻ってお世話になったほうが絶対いいぞ、という考えが浮かんだ。

そこで、ターンテーブルの横にあった電話で、まずはフィラデルフィアの
友達にかけてみた。
「そうすると、デトロイトからフィラデルフィアまでの飛行機代は出してくれるって言ってるの?」
と聞かれ、あ、そうか、自分で買わなきゃいけないのかと思い当たってしまった。
「とにかく、もし日曜日ってことになったら、そっちに行くかもしれないからその時はよろしくね」と言って
「いいよ〜」と言われて、電話を切りターンテーブルに鞄を取りに行った。

しかし、私の鞄は・・・ない。さっき電話していた時に、ちらっと見えたような気がしたけど、誰かが持って行っちゃったのかな。ないものはしょうがないから、誰かに聞こう。
「すいません、私、さっき、ニューヨークから着いて、ここに鞄出てくると思うんですけど、ないんですよ」
「どんな鞄?色は?大きさは?」
「黒で、四角くて・・・」
「じゃ、こっち一緒に来て」
と、別室の荷物置き場のような部屋に連れて行かれた。

「この中にあるか、ちょっと見てくれる?」と言われて探したが、ない。
「ないです」
「はい、じゃ、こっちの中にはない?」
「・・・ないです」
「じゃぁないね。今から家に帰るの?」
「はい、日本です」
「じゃ、航空会社に持ってかれてるかもしれないからそっちで聞こう」
「でも、リブッキングデスクの人に鞄取りに行けって言われたんです」
「でも、ないもんね。一応名前と乗る便教えて」
「それがまだわからなくて」
「じゃ、名前と乗ってきた便で」
という会話があり、見つかったらよろしくお願いしてリブッキングカウンターに戻ってみようと思った。

そこで問題が。リブッキングカウンターに行くためには、一旦私はセキュリティエリアから出てラゲッジクレームに来てしまっているので、またセキュリティエリアに入らなくてはならなかった。しかし、乗る飛行機も決まっていない人間はセキュリティエリアに入ることはできない。
そこで係員の人に、一から説明した。

「日本に帰るんですけど、乗り遅れて、次が日曜日の便だって言われて、鞄を取りに行ったらなくなって」
と話しているうちに、泣けてきた。なんだか自分がすごく不幸なみなしごの気分で。
あーん、私の鞄がないよー、えーんえーんっていう感じ。

すると係員の人が、
「まず、チェックインカウンターに行って、どの飛行機に乗ることになったかを聞いてみよう。一緒に行ってあげるから、説明してあげるから」
とチェックインカウンターに連れて行かれた。

ヒックヒックとその時点ではもうウソ泣きになっていたけど泣きながら説明してもらっている横で立っていた。
ちょっと待っているとチェックインカウンターの人が
「あ、あなたの飛行機、明日の便が取れたわよ。だから明日おうちに帰れるからね」
と子供をあやすように言われてしまった。

「でも、鞄がなくなったから・・・」と言うと
「乗り継ぎでチェックインしたら、鞄はピックアップしないんだよ。もし間違って出てきても、触っちゃダメだよ。ちゃんと日本に行くようにもう持っていったから」
「でも鞄を取りに行きなさいってリブッキングデスクの人が・・・」
「だから鞄は取りに行っちゃダメなの。大丈夫。日本に着いたら鞄もちゃんと着いてるからね。それからホテルあるからね。普通、お天気が悪いときはホテルは自分でとるんだけど、あなたは遠い国に帰るでしょ。だからホテルは会社が出すことになったから。これがクーポン、これでご飯も食べれるから。シャトルバスで、ホテルまで行ってね。一人で行ける?」
「どこですか?」
「連れて行ってほしい?」
「助かります」
と、シャトルバス乗り場まで誘導された。

「茶色いバスが来るから、茶色いバスに乗ってよ。明日の朝、時間に遅れないようにね」
「ありがとうございます」
と、すっかり子ども扱いされ、それに乗っかってしまいました。

ホテルについて、フィラデルフィアの友達に電話して、ピザのデリバリーを頼んで食べて、お風呂に入って寝た。

翌朝、空港で昨日の親切なセキュリティゲートの人に再会した。
「昨日はありがとう。今日日本に帰るの」
「よかったよかった、ボーディングパス貰った?見せて。こっちおいで。じゃ、気をつけてお帰りね。」

割り込ませてくれるのかと思ったらそうじゃなくって、念入りにセキュリティチェックをされた。
本来空港から出るべきではないのに出た場合、チェックが厳しいんだって。

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